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VIII-B1 旅行者はもうGoogleより先にAIに聞いている―訪日客のAI検索利用データ

訪日客のAI検索利用データ

このレッスンの狙い:訪日客の生成AI旅行計画利用率や市場規模データを理解し、インバウンド対応の優先度を数字で説明できるようになる。

最終更新: 2026-07-25

この記事の要点

  • 訪日客の生成AI旅行計画利用率や市場規模データを理解し、インバウンド対応の優先度を数字で説明できるようになる。
  • 過去最高を更新し続けるインバウンド市場
  • 検索エンジンから生成AIへ、静かな主役交代
観光・宿泊・飲食(インバウンド)VIII-B1

旅行者はもうAIに先に聞いている

訪日客のAI検索利用データを押さえる

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2025年、日本を訪れた外国人旅行者がもたらした消費額は9兆4,559億円にのぼり、過去最高を更新し続けています。この巨大な市場で今起きているのは、旅行者が情報を集める入り口そのものの変化です。「京都 ホテル おすすめ」と検索エンジンに打ち込んでいた旅行者の一部は、すでにChatGPTやGeminiに同じ質問を直接投げかけるようになっています。本レッスンでは、訪日客の生成AI利用データを数字で押さえ、インバウンド対応にどれだけの優先度を割くべきかを判断できるようになることを目指します。

過去最高を更新し続けるインバウンド市場

観光庁「インバウンド消費動向調査2025年暦年(速報)」によれば、2025年の訪日外国人旅行消費額は9兆4,559億円(前年比+16.4%)で、暦年として過去最高を更新しました。1人当たり旅行支出は22.9万円(同+0.9%)、訪日外国人数は4,268万3,600人と初めて4,000万人を突破し、全国平均泊数は9.5泊(同+0.5泊)へと滞在も長期化しています(出典: 観光庁, 2026年1月)。この市場規模の大きさそのものが、インバウンド対応にリソースを割く根拠になります。

検索エンジンから生成AIへ、静かな主役交代

旅行者の情報収集手段にも変化が起きています。Phocuswright「Travel Forward: Data, Insights and Trends for 2026」によれば、旅行者の情報収集における検索エンジン利用率は2024年下半期の51%から2025年下半期には36%へ急落し、代わって生成AIプラットフォームの利用率が6%から15%へ増加しました(出典: Phocuswright, 2026年1月発表)。

旅行者の情報収集手段の変化(Phocuswright調査)

検索エンジン

  • 2024年下半期: 51%
  • 2025年下半期: 36%(急落)

生成AIプラットフォーム

  • 2024年下半期: 6%
  • 2025年下半期: 15%(倍増以上)

世代別ではミレニアル世代(58%)が最もAI活用度が高く、Z世代45%、X世代39%、ベビーブーマー11%と続きます(出典: Phocuswright, 2026年1月発表)。自社の主要ターゲット層と重なるかを確認しておくと、優先度の判断材料になります。

訪日客の生成AI利用は「旅行」で特に高い

JTB総合研究所の調査(2025年7〜8月実施、432名対象)では、生成AI利用者のうち77.8%が旅行関連で生成AIを何らかの形で使用したと回答しており、行程作成・交通手段の検索・予約・グルメ情報検索が主な利用場面として挙げられています(出典: JTB総合研究所, 2025年7-8月調査)。国内でも明治安田生命の調査(2026年6月、20〜50代1,120名対象)で61.2%の旅行者が生成AIを旅行プランニングに利用していると回答しました(出典: 明治安田生命/時事通信, 2026年7月)。

ポイント

検索エンジン利用率の低下は、旅行者が検索エンジンをやめたという意味ではありません。検索エンジンに加えて生成AIも使うようになった、と情報収集の手段が広がったと捉えるほうが実態に近い理解です。

AI検索は「一番好まれる情報源」になりつつある

McKinseyのAI Discovery Survey(2025年8月、n=1,927)では、AI検索利用者の44%が「AI検索が最も好ましい情報源」と回答し、従来型検索(31%)、小売・ブランド公式サイト(9%)、口コミサイト(6%)を上回りました(出典: McKinsey, 2025年8月)。情報収集の「一番手」がAIに置き換わりつつあるという事実は、インバウンド対応の優先順位を考えるうえで見逃せません。

実践ステップ

  1. 自社のインバウンド関連の問い合わせ・予約経路データを棚卸しし、検索エンジン経由とそれ以外の比率を確認する
  2. ChatGPT・Perplexity・Geminiに「渡航前の旅行者が聞きそうな質問」を実際に入力し、自社が回答内に登場するか確かめる
  3. 自社の主要ターゲット国籍・年代が、生成AI活用度の高い層(ミレニアル世代等)と重なるか確認する
  4. 訪日消費額・旅行者数の最新データを社内で共有し、インバウンドAIO対応の優先度について合意を作る
  5. 次のレッスンで扱う「渡航前・訪日中・帰国後」の3段階クエリ分類に備え、自社が対応できているシーンとできていないシーンを仮に洗い出しておく

まとめ

訪日インバウンド市場は9兆円を超える規模へと拡大を続ける一方、旅行者の情報収集手段は検索エンジンから生成AIへとゆっくり、しかし確実に広がっています。JTB総合研究所・Phocuswright・McKinsey・明治安田生命という異なる調査主体が、それぞれ独立に「生成AIが旅行計画の一部になりつつある」ことを示している点は重く受け止めるべきです。次のレッスンでは、渡航前・訪日中・帰国後という3段階で旅行者がAIにどんな質問を投げているのかを見ていきます。

このレッスンはテキストとスライドで学べます。スライドは上のビューアからご覧ください。

確認テスト

選択肢をクリックすると、その場で正誤と解説が表示されます。

Q1. 2025年の訪日外国人旅行消費額は前年を下回り、過去最高を更新しなかった。

Q2. Phocuswright調査で、旅行者の検索エンジン利用率は2024年下半期から2025年下半期にかけてどう変化したか。

Q3. 世代別のAI活用度で最も高かったのはどれか。

このレッスンのFAQ

Q. 2025年の訪日外国人数はどの程度か?

4,268万3,600人で、初めて4,000万人を突破しました。

Q. McKinseyの調査でAI検索は旅行者にとってどのような位置づけか?

AI検索利用者の44%が「AI検索が最も好ましい情報源」と回答し、従来型検索(31%)を上回りました。

Q. 検索エンジン利用率の低下は検索エンジンをやめたことを意味するか?

いいえ、検索エンジンに加えて生成AIも使うようになったと、情報収集の手段が広がったと捉えるほうが実態に近い理解です。

監修:鈴木晋介(株式会社WEBMARKS 代表取締役)

業種別AIO実践観光・宿泊・飲食(インバウンド)
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