III-B8 実装方法をCMS別に確認する
WordPressなど主要CMSでの構造化データ実装の選択肢
このレッスンの狙い:自社のCMSに応じた構造化データの実装方法を選べる
最終更新: 2026-07-23
この記事の要点
- 自社のCMSに応じた構造化データの実装方法を選べる
- 実装ルートは大きく3つ
- WordPressでの選択肢
III-B2からIII-B7で学んできたJSON-LD(III-B2〜III-B7参照)を、実際に自社サイトへ実装するには、使っているCMSに応じたやり方を選ぶ必要があります。同じOrganizationやArticleのコードでも、WordPressか、ECプラットフォームか、フルスクラッチのサイトかで実装ルートはまるで変わってきます。このレッスンでは、その違いを整理し、担当者や外注先への指示に落とし込めるところまで具体化します。
実装ルートは大きく3つ
構造化データの実装方法は、大きく3つのルートに分けられます。
| ルート | 特徴 | 向いているケース |
|---|---|---|
| テーマ/プラグイン自動生成 | 設定するだけで基本項目が出力される | Organization・Articleなど定型的な型 |
| 手動コード埋め込み | テンプレートファイルに直接JSON-LDを記述する | Product・FAQなど自動生成の対象外の型 |
| タグマネージャー経由 | GTM等でscriptタグを配信する | 複数サイト展開や非エンジニアによる運用 |
どのルートを選ぶにせよ、まず自社の環境が何を自動生成し、何を自動生成しないかを仕分けるところから始まります。
WordPressでの選択肢
WordPressでは、多くのSEOプラグインがOrganizationやArticleといった基本的なJSON-LDを自動生成する機能を持っています。ただし、Product・FAQPage・Reviewのような型は自動生成の対象外になっていることも多く、その場合はテーマのfunctions.phpにコードを書き足すなどして、動的に出力する必要があります。
add_action('wp_head', function () {
if (is_singular('product')) {
echo '<script type="application/ld+json">' . json_encode([
'@context' => 'https://schema.org',
'@type' => 'Product',
'name' => get_the_title(),
]) . '</script>';
}
});要するに、プラグイン任せにできる範囲と、手を動かす必要がある範囲を、導入前に線引きしておくことが肝心です。
ECプラットフォーム・ヘッドレスCMSでの注意点
Shopifyのような主要ECプラットフォームは、商品ページ向けの基本的なProductスキーマ(III-B6参照)をテーマ側であらかじめ出力していることが多い一方、AggregateRatingやReviewは別途レビュー機能との連携が必要になるケースがあります。テーマを変更した際に、構造化データの出力が消えていないかを必ず確認してください。Next.jsなどのヘッドレスな環境では、プラグインに頼れない代わりに、コンポーネント側で自由にJSON-LDを生成できます。GTM経由で配信する方法もありますが、JavaScriptの実行後にコードが挿入される仕組みのため、AIクローラーがJavaScriptを実行しない場合は認識されないリスクがあります(編III-D参照)。可能な限り、初期HTMLの中に直接埋め込む方法を優先しましょう。
実践ステップ
- 自社サイトのCMS(WordPress・ECプラットフォーム・ヘッドレス等)を確認する
- 使用中のテーマ・プラグインが自動生成する構造化データの型を洗い出す
- 自動生成の対象外になっている型(Product・FAQ・Reviewなど)をリストアップする
- 対象外の型について、手動コード埋め込みかカスタムフィールド連携かを選ぶ
- GTMを使う場合は、JavaScriptレンダリングに依存しない実装で問題ないか確認する
- テーマ変更やリニューアル時に既存の構造化データが引き継がれているかを、運用チェックリストに追加する
まとめ
構造化データの実装は、テーマ/プラグイン自動生成・手動コード埋め込み・タグマネージャー経由という3つのルートの使い分けが基本です。WordPressは自動生成できる範囲とできない範囲の仕分けが、ECプラットフォームはテーマ変更時の消失確認が、ヘッドレス環境はJavaScriptレンダリング依存のリスク(編III-D参照)が、それぞれの注意点になります。自社のCMSがどのルートに当てはまるかを把握しておけば、担当者や外注先への指示も具体的に出せるようになります。実装が済んだら、次はそれが正しく機能しているかどうかの確認が要ります。その具体的な手順はIII-B9で扱います。
このレッスンはテキストとスライドで学べます。スライドは上のビューアからご覧ください。
確認テスト
選択肢をクリックすると、その場で正誤と解説が表示されます。
Q1. GTM(タグマネージャー)経由でJSON-LDを配信する場合、JavaScriptを実行しないAIクローラーには認識されないリスクがある。
GTM経由はJavaScriptの実行後にコードが挿入される仕組みのため、AIクローラーがJavaScriptを実行しない場合は認識されないリスクがあります。
Q2. 構造化データの実装ルートとして紹介されている3つに含まれないものはどれか。
3つのルートはテーマ/プラグイン自動生成・手動コード埋め込み・タグマネージャー経由です。
Q3. WordPressで多くのSEOプラグインが自動生成しにくいとされる型はどれか。
Product・FAQPage・Reviewのような型は自動生成の対象外になっていることも多いとされています。
このレッスンのFAQ
Q. GTMで構造化データを配信すれば安心ですか?
注意が必要です。JavaScript実行後にコードが挿入される仕組みのため、AIクローラーがJavaScriptを実行しない場合は認識されないリスクがあります。
Q. テーマを変更したとき何を確認すべきですか?
構造化データの出力が消えていないかを必ず確認する必要があります。
Q. 自動生成されない型はどう実装すればよいですか?
テンプレートファイルへの手動コード埋め込みや、カスタムフィールドとの連携で実装します。