演習テキスト+スライドで学ぶ

III-A10 制御ポリシーテンプレを作る

III-Aで学んだ内容を、自社で使える制御方針のひな形に落とし込む

このレッスンの狙い:自社のAIクローラー制御ポリシーをテンプレとして作成できる

最終更新: 2026-07-23

この記事の要点

  • 自社のAIクローラー制御ポリシーをテンプレとして作成できる
  • なぜテンプレ化しておくべきなのか
  • テンプレの5つの構成要素
AIクローラー制御III-A10

制御ポリシーテンプレを作る

III-Aの判断を1つのテンプレに統合する

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III-Aではここまで、クローラーの種類・robots.txtの設計判断・CDN側の制御・ログの確認方法を1つずつ見てきました。ここからは、それらを1つの「制御ポリシーテンプレ」に統合し、自社やクライアントですぐ使える形に仕上げていきます。

なぜテンプレ化しておくべきなのか

AIクローラーを取り巻く勢力図は、月単位で入れ替わっています。Cloudflare Radarの集計では、2026年6月にClaudeBotが前月比+66%で急増し2位に浮上する一方、Googlebotのシェアは過去最低を更新したと報告されています(出典: Cloudflare Radar集計報道, 2026年6月)。各社のクローラー仕様やCDNの機能も数か月単位で変化します。そのたびに判断をゼロからやり直すのは非効率です。判断の型をテンプレとして残しておけば、変化が起きたときに差分だけ確認すればよい状態を作れます。

テンプレの5つの構成要素

制御ポリシーテンプレは、次の5つで構成すると過不足がありません。1つ目はクローラー分類表、III-A1〜III-A6で整理した「学習用・検索索引用・エージェント型」の一覧を自社用に整理したものです。2つ目は許可・拒否方針、III-A7で扱った事業タイプ別の判断軸を自社の答えとして明文化したものです。3つ目は実装コード、実際に使うrobots.txt本体です。4つ目はCDN側設定チェックリスト、III-A8で扱ったAI Audit・Crawl Control等の設定状況です。5つ目はログ確認・見直しサイクル、III-A9のログ確認手順と、次にいつ見直すかの予定です。

テンプレの実装コード例

実装コードの部分は、たとえば次のような形にまとめておくと運用しやすくなります。

# --- 制御ポリシー: 検索・索引用は許可(引用機会を優先) ---
User-agent: OAI-SearchBot
Allow: /

User-agent: PerplexityBot
Allow: /

# --- 制御ポリシー: 学習用は拒否(コンテンツ資産を保護) ---
User-agent: GPTBot
Disallow: /

User-agent: ClaudeBot
Disallow: /

User-agent: Bytespider
Disallow: /

User-agent: CCBot
Disallow: /

# Google-Extendedは検索順位・AI Overviewsに影響しないため方針は別途検討
User-agent: Google-Extended
Disallow: /

コード自体をコピーするだけでなく、なぜこの行がこの設定になっているのかを、コメント行や別紙の方針書に残しておくことが、半年後に見直すときの自分(や後任者)への助けになります。

運用ルールとオーナーシップ

テンプレは作って終わりではありません。誰が更新するか(オーナー)いつ見直すか(半年に1度が目安)誰に共有するか(開発担当・CDN管理者・経営層)の3点を明文化しておきましょう。学習用クローラーを拒否する判断はトラフィック減少のリスクを伴うため(III-A7参照)、担当者が一人で決めず、事業側と合意した内容をテンプレに残しておくと、後から「なぜこの設定にしたのか」を説明しやすくなります。

実践ステップ

  1. III-A1〜III-A9で整理した内容を1つのドキュメントにまとめる箱を用意する
  2. クローラー分類表を自社サイトの状況に合わせて更新する
  3. 学習用・検索索引用・エージェント型ごとの許可・拒否方針を明文化する
  4. 実際に使うrobots.txtのコードをテンプレに埋め込む
  5. CDN側設定のチェックリスト(AI Audit有効化・レート制限等)を添付する
  6. 見直し予定日(半年後を目安)と担当者をテンプレに明記する
  7. 完成したテンプレを社内・クライアントと共有し、設定変更のたびにテンプレ自体も更新する運用にする

まとめ

制御ポリシーテンプレは、III-Aで学んだクローラー分類・許可拒否判断・CDN制御・ログ確認を1つの実務ドキュメントに集約したものです。AIクローラーの勢力図やCDNの機能は数か月単位で変化するため、判断の型をテンプレとして残しておくことで、次に変化が起きたときも差分確認だけで済みます。ぶっちゃけ、一度作ってしまえば同じ悩みを何度も繰り返さずに済むので、面倒でも最初にここへ時間をかけておく価値は十分にあります。III-Aで組み立てた制御の土台の上に、次の編III-Bでは構造化データの役割から実装まで話を進めます。

このレッスンはテキストとスライドで学べます。スライドは上のビューアからご覧ください。

確認テスト

選択肢をクリックすると、その場で正誤と解説が表示されます。

Q1. 制御ポリシーテンプレの見直しサイクルは、半年に1度が目安とされている。

Q2. 制御ポリシーテンプレの5つの構成要素に含まれないものはどれか。

Q3. テンプレの運用で明文化すべきとされる3点に含まれないものはどれか。

このレッスンのFAQ

Q. なぜAIクローラーの制御方針をテンプレ化しておく必要がありますか?

AIクローラーの勢力図やCDNの機能は数か月単位で変化するため、判断をゼロからやり直さずに差分だけ確認できるようにするためです。

Q. 学習用クローラーを拒否する判断は誰が決めるべきですか?

担当者が一人で決めず、トラフィック減少のリスクを踏まえて事業側と合意した内容をテンプレに残すことが推奨されています。

Q. テンプレのコード部分だけコピーすれば十分ですか?

不十分です。なぜその設定になっているかをコメントや方針書に残しておくことが、後から見直す際の助けになります。

監修:鈴木晋介(株式会社WEBMARKS 代表取締役)

robots.txtテンプレート
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