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IX-E7 ベトナム——東南アジア初のAI法とCocCocのある市場

東南アジア初のAI法とCocCocのある市場

このレッスンの狙い:ベトナムの地場検索エンジンCocCocの存在とAI法の3段階リスク分類を理解し、規制対応と検索エコシステムの両面から市場を検討できるようになる

最終更新: 2026-07-25

この記事の要点

  • ベトナムの地場検索エンジンCocCocの存在とAI法の3段階リスク分類を理解し、規制対応と検索エコシステムの両面から市場を検討できるようになる
  • CocCocという地場勢力
  • 東南アジア初のAI法
ASEAN(東南アジア)IX-E7

ベトナム——東南アジア初のAI法

地場検索CocCocとAI法制がある独自市場

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ベトナムはASEANの中で唯一、Googleに次ぐ自国勢力を持つ検索エンジン(CocCoc)が一定のシェアを維持している市場です。加えて東南アジアで初めて拘束力あるAI法を制定した点でも、他国とは異なる特徴を持っています。

CocCocという地場勢力

2026年6月時点の検索エンジンシェアはGoogle95.59%、CocCoc3.62%、Bing0.44%となっています(出典: StatCounter Viet Nam, 2026年6月)。3%台とはいえ、ASEANの他の市場ではほぼ見られない地場検索エンジンの存在感は、ベトナム特有の事情として押さえておく価値があります。AI利用率は生産年齢人口で26.5%とASEAN2位(世界順位38位)であり(出典: Vietstock, 2026年1月)、企業の73%が何らかの形でAIを導入済みですが、本格運用(at scale)は13.8%にとどまり大半がパイロット段階にあるとされています(出典: InvestVietnam Blog 110 AI Statistics)。

用語解説

「本格運用(at scale)」とは、実験的な試験導入(パイロット)にとどまらず、業務プロセス全体に組み込まれた状態でAIが継続的に使われている段階を指します。導入率と本格運用率の差が大きいほど、まだ実験段階の企業が多いことを意味します。

東南アジア初のAI法

2025年12月にベトナム国会が「AI法」を可決し、2026年3月1日に施行されました。全35条で構成され、AI研究・開発・導入・利用に関わる全組織・個人が対象です。高・中・低の3段階リスク分類でEU AI法に概ね準拠しており、医療・教育・金融といった高リスクシステムには2027年9月までの猶予期間が設けられています(出典: Worldngayon Vietnam AI 2026)。オンライン人口の78%が過去3カ月以内に何らかのAIプラットフォームを利用し、33%が日常的に組み込んでいるという報告もあります(出典: InvestVietnam Blog)。

検索シェア

Google95.59%・CocCoc3.62%(地場勢力)

AI法

2026年3月1日施行・全35条・3段階リスク分類

高リスク猶予期間

医療・教育・金融は2027年9月まで

企業導入状況

導入73%に対し本格運用は13.8%

規制対応の実務ポイント

AI法の3段階リスク分類は、EU AI Actの枠組みと概ね同じ発想に基づいているとされ、高リスクに分類されなければ、当面は大きな追加コストを負わずに済むという点は実務上の安心材料になります。ただし本格運用(at scale)が13.8%にとどまっているという状況は、規制対応そのものよりも、AI活用の成熟度がまだ発展途上であることを示しています。ベトナムに進出する日本企業は、規制対応のスケジュールを把握しつつも、まずはパイロット段階から本格運用へ引き上げる社内体制づくりに重点を置くのが現実的だといえるでしょう。

実践ステップ

  1. ベトナム市場での検索最適化にCocCoc対応(自社サイトのインデックス状況等)を含めるか検討する
  2. 自社が医療・教育・金融等の高リスク分野に該当するか、AI法の3段階リスク分類に照らして確認する
  3. 高リスク分野に該当する場合は2027年9月の猶予期間終了までの対応スケジュールを検討する
  4. 現地パートナー企業のAI活用が「パイロット」か「本格運用」かを把握し提携時の前提をそろえる
  5. AI法の施行状況・ガイドラインの更新を定期的にウォッチする体制を作る

まとめ

ベトナムは地場検索エンジンCocCocの存在と、東南アジア初のAI法という2つの点でASEAN他国と一線を画す市場です。規制対応と検索エコシステムの両面を押さえることが、この市場に着手する際の基本になります。次のレッスンでは、マルチモーダルAIOの実験場として注目されるマレーシアを扱います。

このレッスンはテキストとスライドで学べます。スライドは上のビューアからご覧ください。

確認テスト

選択肢をクリックすると、その場で正誤と解説が表示されます。

Q1. ベトナムのAI法は、東南アジア諸国の中で最も遅く制定されたAI規制法である。

Q2. ベトナムのAI法が施行されたのはいつか。

Q3. ベトナムで唯一Googleに次ぐシェアを持つ地場検索エンジンは。

このレッスンのFAQ

Q. ベトナムのAI法はどんな特徴を持つか。

東南アジアで初めて制定された拘束力あるAI法で、2026年3月1日に施行され、全35条・高中低の3段階リスク分類でEU AI法に概ね準拠しています。

Q. 高リスクシステムにはどんな猶予期間があるか。

医療・教育・金融といった高リスクシステムには2027年9月までの猶予期間が設けられています。

Q. ベトナム企業のAI導入状況は。

73%が何らかの形でAIを導入済みですが、本格運用(at scale)は13.8%にとどまり大半がパイロット段階です。

監修:鈴木晋介(株式会社WEBMARKS 代表取締役)

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