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IX-D5 韓国「AI G3」国家戦略と国産基盤モデル

国産基盤モデルを支える攻めの戦略

このレッスンの狙い:韓国のAI G3国家戦略の投資規模と目標を理解し、規制と投資という両輪から韓国市場の政策動向を読み取れるようになる

最終更新: 2026-07-25

この記事の要点

  • 韓国のAI G3国家戦略の投資規模と目標を理解し、規制と投資という両輪から韓国市場の政策動向を読み取れるようになる
  • 「AI G3」とは何を目指す戦略か
  • 2026年6月の大型投資発表
東アジア(韓国・中国・台湾・香港)IX-D5

韓国政府は「攻め」の看板を掲げた

国家戦略AI G3の規模感を読み解く

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前回見たAI基本法が「守り」だとすれば、今回扱う国家戦略「AI G3」は韓国政府が掲げる「攻め」の看板です。AIOの実務担当者にとっても、この国家戦略の規模感を知っておくことは、韓国市場の投資意欲や導入スピードを見立てるうえで役立ちます。

「AI G3」とは何を目指す戦略か

「AI G3(世界トップ3のAI強国)」は、2024〜2027年の4年間で民間AI投資65兆ウォンを刺激し、2030年までにAI導入率を産業界70%・公共部門95%まで引き上げることを目標とする国家戦略です(出典: MSIT関連報道、確認日2026-07-25)。

AI G3が掲げる主要目標

民間AI投資刺激

4年間(2024〜2027年)で65兆ウォン

産業界のAI導入率

2030年までに70%

公共部門のAI導入率

2030年までに95%

注目AIモデル件数

2025年8件から2030年に20件へ

2026年6月の大型投資発表

2026年6月29日、韓国政府は半導体・フィジカルAI(AIロボット)・AIデータセンターの3分野で大規模投資計画を発表しました。2026年前半までに高性能GPU1.8万個の確保を計画しているとされます。Stanford AI Indexが集計する「注目すべきAIモデル」の件数についても、2025年の8件から2030年に20件へ増やすという具体的な目標が掲げられています(出典: Science Portal Korea、確認日2026-07-25)。

ポイント

韓国の戦略は「国産基盤モデルを持つこと」自体を国家目標に据えている点が特徴です。日本企業が韓国市場でAIOを進める際も、相手が英語圏のグローバルAIだけでなく、政府支援を受けた国産AIも含めた複数プラットフォームを前提にしていることを踏まえる必要があります。

AI基本法とAI G3の両輪関係

前回のレッスンで扱ったAI基本法が高影響AIへの人間監視・透明性表示という「守り」を定める一方、AI G3は投資額・導入率という具体的な数値目標を掲げる「攻め」の戦略です。規制と投資目標を同時に走らせるという設計は、日本のAI政策を検討するうえでも参照点になります。政府主導でここまで具体的な数値目標を掲げる国はまだ少なく、韓国市場のAI導入スピードを見立てる際の重要な手がかりになります。

用語解説

「注目すべきAIモデル」とは、Stanford大学が公表するAI Index Reportが定義する、性能・影響力の面で特筆すべきAIモデルの集計指標です。件数の多寡は、その国のAI開発力を測る目安の1つとして各国比較でよく引用されます。

AIOへの実務インプリケーション

政府がAI導入率の数値目標まで掲げている以上、韓国企業側のAI活用意欲は今後さらに高まると見ておくのが妥当です。自社サイトが「AIに読みやすい」状態になっているか、韓国語ネイティブのAIツールでも正しく解釈されるかといった基礎的な点検は、早めに着手する価値があります。なお、AI G3戦略のもとで具体的にどの企業がAIO/GEO分野へ政府支援を受けているかという個別の助成事例については、現時点で公開データが限られています。今後の政府発表・報道を継続的にウォッチする必要があります。

実践ステップ

  1. 韓国政府のAI投資計画(65兆ウォン・GPU確保計画等)の進捗を年1回程度でウォッチする
  2. 自社が想定する韓国向けAIOが、国産AI(HyperCLOVA X等)への対応も含んでいるか確認する
  3. AI基本法(前回)とAI G3(今回)を、規制と投資という両輪でセットで理解しておく
  4. Stanford AI Index等の第三者指標で、韓国のAI開発力の推移を確認する
  5. 韓国市場向け提案資料には、政府の投資姿勢を踏まえた導入余地の高さを説明材料として使う

まとめ

韓国のAI G3戦略は、4年間で65兆ウォンの投資刺激・2030年までの高いAI導入率目標という具体的な数字を掲げる、政府主導の「攻め」の国家戦略です。前回のAI基本法という「守り」とセットで理解することで、韓国市場全体のAI政策の全体像がつかめます。次のレッスンでは、東アジアのもう一つの巨大市場である中国の検索地図を見ていきます。

このレッスンはテキストとスライドで学べます。スライドは上のビューアからご覧ください。

確認テスト

選択肢をクリックすると、その場で正誤と解説が表示されます。

Q1. 韓国の「AI G3」戦略は、2030年までにAI導入率を産業界95%・公共部門70%まで引き上げることを目標としている。

Q2. 「AI G3」戦略が2024〜2027年の4年間で刺激するとしている民間AI投資額は。

Q3. Stanford AI Indexの「注目すべきAIモデル」件数について、韓国が掲げる目標は。

このレッスンのFAQ

Q. 「AI G3」戦略とは何か。

2024〜2027年の4年間で民間AI投資65兆ウォンを刺激し、2030年までにAI導入率を産業界70%・公共部門95%まで引き上げることを目指す韓国の国家戦略です。

Q. AI基本法とAI G3はどんな関係にあるか。

AI基本法が高影響AIへの人間監視・透明性表示という「守り」、AI G3が投資額・導入率という数値目標を掲げる「攻め」という両輪の関係です。

Q. 2026年6月の投資発表にはどんな内容が含まれるか。

半導体・フィジカルAI・AIデータセンターの3分野での大規模投資計画と、2026年前半までの高性能GPU1.8万個確保計画です。

監修:鈴木晋介(株式会社WEBMARKS 代表取締役)

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