VI-C4 国内事例2から学ぶ
国内企業のもう一つのAIO取り組み事例を分析する
このレッスンの狙い:国内事例2から自社に応用できる要素を抽出できる
最終更新: 2026-07-23
この記事の要点
- 国内事例2から自社に応用できる要素を抽出できる
- 地方の専門事業者がAIOに掲載された2つの実例
- 共通する3つの成功要因
国内事例の2本目は、指名検索に頼らない地方の専門特化事業者がAIに選ばれた事例です。大企業のようなブランド力がなくても、AIに紹介されるチャンスがあることを示す、講座受講者にとって特に励みになる内容だと思います。
地方の専門事業者がAIOに掲載された2つの実例
ネットショップ担当者フォーラム(Impress運営)の記事によれば、愛知県西尾市の草木染めカジュアルウェアブランド「UZUiRO」は「レディースファッション 染め物ブランド おすすめ」という検索でAI Overviewsに掲載され、石川県能登半島で包丁の製造・修理を行う「ふくべ鍛冶」は「包丁修理サービス」という検索でサービス名とともに紹介されました(出典: ネットショップ担当者フォーラム, 2026年6月1日)。どちらも全国区の知名度があるブランドではなく、地域に根ざした専門特化事業者です。
共通する3つの成功要因
同記事は成功要因として、Aboutページでのブランドストーリー発信、専門分野コラムの充実、日経新聞などメディア掲載歴を自社サイトで再紹介すること(外部権威の可視化)の3点を挙げています(出典: 同上)。特に3つ目の「外部で得た評価を自社サイトでも再構成して紹介する」という発想は、AIにとっての裏付け(エンティティの信頼性を補強する材料)として働くと考えられます。AIは単一のサイトの主張をそのまま鵜呑みにするのではなく、複数の情報源で同じ事実が確認できるかどうかを重視する傾向があるとされます。メディアに掲載されて終わりにせず、その事実を自社サイト上でも改めて言及しておく行為は、いわば自分の手で「裏付けの数」を増やす作業だと捉えると分かりやすいでしょう。
「指名検索の強さ」というもう一段深い論点
同記事はさらに興味深いデータも紹介しています。AI Overviews表示率は全キーワードの約30%、情報収集型クエリに限れば99.9%に達する一方で、純粋なブランド名単体の検索でのAIO表示率はわずか2.29%にとどまるというのです(出典: 同上)。これは、AI検索時代になっても「指名検索されるだけの強さ」自体は競争優位であり続けていることを意味します。情報収集型のクエリで露出を増やすことと、指名検索されるブランドになることは、別々に育てる必要がある力だと理解しておきましょう。
ASP加盟店データに見るもう1つの手がかり
ECサイト構築サービス「カラーミーショップ」の加盟店データでは、2026年2月時点でChatGPT経由の流入が前年同月比4倍以上に増加したと報告されています(出典: 同上。ASP提供元の自社データのため、独立した第三者検証はされていない点に留意してください)。個別事業者の細かい施策までは分かりませんが、少なくとも中小規模のECサイト全体でAI経由の流入が実際に増えているという土台の変化は見て取れます。
実例:サンシャインシティ(Japan SEO Conference 2025登壇) 水族館の生き物コンテンツ拡充で流入数が最大8倍に拡大し、展望台リニューアル施策では「池袋 夜景」検索で1位を獲得、自然検索流入が施策前の3.2倍に増えたと報告されています(seohacks.net, 2025年7月)。
実践ステップ
- 自社(担当企業)のAboutページに、創業の背景や専門性を語るストーリーがあるか確認する
- メディア掲載・受賞歴があれば、それを自社サイト内でニュースとして再構成しているか確認する
- 「(自社の専門分野) おすすめ」のような情報収集型クエリで、ChatGPTに自社が挙がるか確認する
- 自社名単体でChatGPTに質問し、自社について正しく説明されるか確認する
- 専門分野のコラム・解説記事が何本あるか棚卸しし、不足していれば追加を計画する
- メディア掲載・受賞歴が複数ある場合、そのうち自社サイトでまだ再紹介できていないものを優先順位付けする
まとめ
UZUiROやふくべ鍛冶の事例が示すのは、規模の大きさよりも専門性とストーリーの発信量がAIOでは効いてくる可能性があるということです。ブランドストーリー・専門コラム・外部評価の再紹介という3点は、VI-C3で見た国内SaaS事例の「著者の実名化」「独自データ」とも根っこの発想は同じです。一方で、指名検索の強さという昔ながらの強みも依然として重要であり続けています。成功の理屈が見えてきたところで、あえて視点を反転させましょう。VI-C5では、うまくいかなかった側のデータに目を向けます。
このレッスンはテキストとスライドで学べます。スライドは上のビューアからご覧ください。
確認テスト
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Q1. カラーミーショップの加盟店データでは、2026年2月時点でChatGPT経由の流入が前年同月比4倍以上に増加したと報告されている。
カラーミーショップの加盟店データでは、2026年2月時点でChatGPT経由の流入が前年同月比4倍以上に増加したと報告されています。
Q2. UZUiROとふくべ鍛冶に共通する成功要因として本文が挙げていないものはどれか。
成功要因として挙げられているのはAboutページでのブランドストーリー発信、専門分野コラムの充実、メディア掲載歴の再紹介の3点です。
Q3. サンシャインシティの事例で、展望台リニューアル施策後の自然検索流入は施策前と比べてどうなったか。
展望台リニューアル施策では自然検索流入が施策前の3.2倍に増えたと報告されています。
このレッスンのFAQ
Q. ブランド名単体の検索でのAI Overviews表示率はどの程度と報告されているか。
わずか2.29%にとどまると報告されています。
Q. メディア掲載歴を自社サイトで再紹介することがなぜAIOに有効とされているか。
AIは複数の情報源で同じ事実が確認できるかどうかを重視する傾向があるとされ、自社の手で「裏付けの数」を増やす作業になるためです。
Q. サンシャインシティの水族館コンテンツ拡充によって流入数はどの程度拡大したか。
最大8倍に拡大したと報告されています。