スライドテキスト+スライドで学ぶ

VI-C3 国内事例1から学ぶ

国内企業のAIO取り組み事例を分析する

このレッスンの狙い:国内事例1から自社に応用できる要素を抽出できる

最終更新: 2026-07-23

この記事の要点

  • 国内事例1から自社に応用できる要素を抽出できる
  • 施策前に抱えていた課題
  • 3〜6か月かけて実施した5つの施策
ケーススタディ徹底分析VI-C3

国内では珍しい、数値付きの公開事例

国内事例1から学ぶ

1 / 8

ここからは国内事例を2本立てで扱います。1本目は、従業員60名規模のBtoB HR SaaS企業が実施した施策です。海外事例と違い、具体的な施策内容とbefore/afterの数値がセットで公開されている、国内では比較的珍しい事例なので、じっくり見ていきましょう。

施策前に抱えていた課題

このBtoB人材管理SaaS企業(従業員60名・月間約8,000セッション規模)は、施策開始前、「HR管理ツール おすすめ」のようなカテゴリクエリでAIに一切推薦されておらず、一方で競合A社は10件中7件で言及されているという状態でした(出典: chot Inc., 2026年確認)。自社の存在そのものがAIの回答から抜け落ちている状態からのスタートだったわけです。

3〜6か月かけて実施した5つの施策

同社が実施したのは次の5つです。1つ目は、既存ブログ42本へのOrganization・FAQPage・Article・Service・BreadcrumbListといった構造化データの実装(工数約15時間)。2つ目は、FAQを合計80件へ拡充し、回答冒頭100文字以内に結論を配置すること。3つ目は、全記事への著者プロフィール追加と、「多くの企業が」ではなく「87%が初月から効果」のような具体的な数値化によるE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)強化。4つ目は、自社調査(n=300)や競合比較表の追加。5つ目は、robots.txtでAIクローラーを誤って制限していないかの確認です(出典: 同上)。

3か月後の変化

3か月後の変化は次の通りです。

指標施策前3か月後変化
AI経由リファラー月45セッション月126セッション2.8倍
AIオーバービュー表示キーワード数3個28個9.3倍
月間問い合わせ数18件27件1.5倍

(出典: chot Inc., 2026年確認)

「9.3倍」と「1.5倍」の差から読み取るべきこと

注目してほしいのは、表示キーワード数が9.3倍に増えた一方で、問い合わせ数の伸びは1.5倍にとどまっているという点です。これは「可視性が上がる」ことと「問い合わせが増える」ことの間には、どうしてもタイムラグや変換のロスがあることを示しています。可視性の伸びだけを見て「もっと増えるはず」と焦る必要はありません。この時間軸の考え方は、VI-C7でさらに詳しく扱います。

この事例を自社に当てはめるときの注意点

この事例は施策と数値の対応関係が具体的に記述されている点で参考価値が高い一方、単一企業による自己申告であり、第三者機関による独立検証を経たものではありません。とはいえ、従業員60名という規模の企業でも、大きなシステム投資なしに(構造化データの実装工数はわずか15時間)ここまでの変化を起こせたという事実は、中小企業にとって十分に励みになるはずです。

実例:熱海市×じゃらんリサーチセンター 観光AIダッシュボードや多言語コンテンツ生成を導入した結果、Google検索での表示回数が15.3倍、インバウンド重点市場からの来訪者数が前年比約2倍になったと公表されています(じゃらんリサーチセンター, 2026年2月発表)。BtoB SaaS以外の業種でも、地道な施策の積み上げが数字に表れることを示す事例です。

実践ステップ

  1. 自社が推薦されるべきカテゴリクエリを3〜5個書き出し、現状ChatGPTでどう扱われているか確認する
  2. 既存ブログ記事のうち構造化データが未実装のものをリストアップする
  3. FAQコンテンツの数と、回答冒頭で結論が述べられているかを点検する
  4. 全記事の著者プロフィール掲載率を確認する
  5. 自社独自の調査データ(顧客アンケート等)が直近にあるか確認し、なければ実施を検討する
  6. 施策実施前の時点でのAI経由リファラー数・問い合わせ数を記録し、比較の基準値にする

まとめ

この国内事例が示すのは、構造化データ・FAQ拡充・著者の実名化・独自データ・技術確認という5つの地道な施策を組み合わせることで、AI経由の可視性を大きく引き上げられる可能性があるということです。ただし可視性の伸びと問い合わせの伸びには差があり、成果を評価するときは複数の指標を見る必要があります。要するに、派手な一発施策ではなく、積み重ねが効いているケースだと理解しておきましょう。国内にはもう1つ、毛色の違う成功パターンがあります。舞台を移して、VI-C4で確かめてみましょう。

このレッスンはテキストとスライドで学べます。スライドは上のビューアからご覧ください。

確認テスト

選択肢をクリックすると、その場で正誤と解説が表示されます。

Q1. この国内BtoB SaaS事例では、施策実施後の問い合わせ数の伸び率(1.5倍)は、AIオーバービュー表示キーワード数の伸び率(9.3倍)よりも大きかった。

Q2. この事例の企業規模はどの程度か。

Q3. 熱海市×じゃらんリサーチセンターの取り組みで、Google検索での表示回数は何倍になったと公表されたか。

このレッスンのFAQ

Q. この事例で実施された構造化データ実装の工数はどの程度だったか。

既存ブログ42本への実装で、約15時間だったと報告されています。

Q. 「9.3倍」と「1.5倍」の差から読み取るべき教訓は何か。

可視性が上がることと問い合わせが増えることの間にはタイムラグや変換のロスがあり、可視性の伸びだけを見て焦る必要はないという教訓が読み取れます。

Q. この事例を自社に当てはめる際の注意点は何か。

単一企業による自己申告であり、第三者機関による独立検証を経たものではない点に留意する必要があります。

監修:鈴木晋介(株式会社WEBMARKS 代表取締役)

ケーススタディ国内事例
まだ完了にしていません。

AIエージェント開発・AI検索最適化(AIO)の実装支援

AIエージェント開発・AI検索最適化(AIO)・LLMの内製化まで、学んだ内容を自社実装につなげたい方にWEBMARKSが伴走します。

無料相談してみる