V-B5 無料でできる手動計測を実践する
ツール導入前でも、手動でAIOの状況を確認する方法
このレッスンの狙い:無料の手動計測を自分で実行できる
最終更新: 2026-07-23
この記事の要点
- 無料の手動計測を自分で実行できる
- 無料でできる6つの打ち手
- HubSpot AEO Graderで基準値を取る
ここまでAhrefs・Semrush・専業ツールと有料の選択肢を見てきましたが、実は予算ゼロでもAIOの現状把握はかなりのところまで進められます。無料ツールと手作業だけで組み立てる月次の計測ワークフローを、ここでは実際に手を動かせるレベルまで具体化していきます。
無料でできる6つの打ち手
無料の範囲でAIO計測の土台を作るなら、次の6つの打ち手が基本セットになります。Google Search Consoleで指名検索クエリのクリック数・表示回数の推移を確認する、GA4でリファラーレポートからchatgpt.com・perplexity.ai・gemini.google.com・claude.aiなどのドメインからの流入有無を確認する、手動プロンプトサンプリングを月1回実施する、HubSpot AEO Graderで無料の基準値を取得する、サイテーション状況をサイト内検索で簡易確認する、robots.txtで主要AIクローラーを意図せずブロックしていないか四半期に1回確認する、の6つです。Search Consoleについては、AI Overviews・AI Mode経由のデータも通常のウェブ検索と合算されて計上され単独では取り出せない点に留意しつつ(出典: 鈴木謙一氏の解説記事・note記事, 2026年7月)、指名検索の増減という間接指標として使うのが現実的です。
HubSpot AEO Graderで基準値を取る
HubSpot AEO Graderは、登録不要・無料でChatGPT・Perplexity・Geminiの3プラットフォームに同時に自社ブランドを問い合わせ、総合スコア(100点満点)・Brand Recognition(ブランド認知度)・センチメントといった指標でスコア化するツールで、所要時間は3〜5分程度とされています(出典: HubSpot「AEO Grader」, 2026年7月)。月次または四半期のベースライン取得に使うとちょうどよい位置づけです。
自社言及チェックの診断プロンプト
手動サンプリングでは、次のようなプロンプトを同一の文面のままChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityの4プラットフォームに入力します。
1. [ブランド名]について知っていることを教えてください
2. [地域名]で[サービスカテゴリ]のおすすめを3つ教えてください
3. [自社名]と[競合A]を比較してください
4. [ブランド名]の料金体系・プランを教えてください実行時はシークレットモード(ログアウト状態)で行うことが重要です。ログイン状態だと過去の会話履歴に基づく個人化が働き、一般ユーザーが見る回答と乖離する可能性があるためです。また生成AIの応答は確率的で毎回変わるため、1プロンプトにつき最低3回は実行し、「何回中何回言及されたか」で記録してください。サイテーション確認には、次のような検索演算子も使えます。
site:reddit.com [ブランド名]記録は「言及・引用・推薦」の3段階で残す
記録するときは、単に名前が出たかだけでなく、言及・引用・推薦を分けて記録することが後の分析の質を左右します。言及は名前が出ただけ、引用は自社URLが出典として示されたこと、推薦は「おすすめは〜」という文脈で名指しされたことを指します。実行日・使用サービス・分かる範囲のモデル名もあわせて記録し、月次でスプレッドシートに集計しておくと、V-B7以降のツール導入検討時の比較材料にもなります。
実践ステップ
- GA4のリファラーレポートを開き、chatgpt.com・perplexity.ai・gemini.google.com・claude.aiからの流入有無を確認する
- Search Consoleで自社の指名検索クエリのクリック数・表示回数の推移を直近3か月分確認する
- HubSpot AEO Graderに自社ブランド名を入力し、総合スコアとBrand Recognition・センチメントの内訳を記録する
- 上記の診断プロンプト4問を、シークレットモードでChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityにそれぞれ3回ずつ入力する
- 「言及・引用・推薦」の3段階で結果をスプレッドシートに記録する
- site:検索でReddit等での自社言及の有無を確認する
- robots.txtが主要AIクローラーを意図せずブロックしていないか確認する
まとめ
無料でも、GSC・GA4・HubSpot AEO Grader・手動プロンプトサンプリングを組み合わせれば、月次のAIO計測サイクルは十分に回せます。要するに、有料ツールは「この土台を効率化・自動化する手段」であって、計測そのものを始めるための必須条件ではありません。まずはこのレッスンの手順を1回自分の手で回してみてから、V-B6以降でツール導入の要否を判断していくのがおすすめです。なお、記事本文の改善に使うコンテンツ系プロンプトは編IVで扱うので、ここでは計測に絞って進めてください。
このレッスンはテキストとスライドで学べます。スライドは上のビューアからご覧ください。
確認テスト
選択肢をクリックすると、その場で正誤と解説が表示されます。
Q1. 手動プロンプトサンプリングは、ログイン状態で行うことが推奨されている。
ログイン状態だと個人化が働くため、シークレットモード(ログアウト状態)で行うことが重要だとされています。
Q2. HubSpot AEO Graderの総合スコアは何点満点で示されるか。
総合スコア(100点満点)で示されるとされています。
Q3. 手動サンプリングの記録で分けて記録すべきとされる3段階はどれか。
言及・引用・推薦を分けて記録することが後の分析の質を左右するとされています。
このレッスンのFAQ
Q. なぜ手動プロンプトサンプリングはシークレットモードで行う必要がありますか。
ログイン状態だと過去の会話履歴に基づく個人化が働き、一般ユーザーが見る回答と乖離する可能性があるためです。
Q. 1つのプロンプトは何回実行して記録すればよいですか。
生成AIの応答は確率的で毎回変わるため、1プロンプトにつき最低3回は実行し、何回中何回言及されたかで記録することが推奨されています。
Q. 有料ツールを導入しないと計測は始められませんか。
そうではありません。GSC・GA4・HubSpot AEO Grader・手動プロンプトサンプリングを組み合わせれば、無料でも月次のAIO計測サイクルは十分に回せるとされています。