V-A6 ベースライン測定を行う
施策の前に「今どうなっているか」を測っておく重要性
このレッスンの狙い:施策開始前のベースラインを測定できる
最終更新: 2026-07-23
この記事の要点
- 施策開始前のベースラインを測定できる
- なぜ着手前の計測が欠かせないのか
- 無料診断ツールでの初期計測
KPIツリーと目標値、そして計測の限界まで理解したところで、いよいよ手を動かす番です。AIO施策を始める前に「今の時点でどう見えているか」を記録しておかないと、後から効果を語ることができません。ここから先は座学ではなく実測です。施策着手前のベースラインを、実際に手を動かしながら記録に残していきます。
なぜ着手前の計測が欠かせないのか
AIOの成果は、Before/Afterの比較でしか語れません。施策を始めてから「そういえば最初はどうだったか」と振り返っても、正確な記録は残っていないことがほとんどです。ベースラインを取っていないと、数か月後に「本当に改善したのか、それとも元々このくらいだったのか」を判断できなくなります。V-A5で確認した通り、AIO計測の数字は推計値ではありますが、同じ条件で継続的に測っていれば、時系列での変化は十分に意味のある情報になります。
無料診断ツールでの初期計測
本格的な有料ツール導入の判断(編V-Bで扱います)をする前に、まずは無料で使える診断で現状の輪郭をつかむのが実務的な第一歩です。たとえばHubSpot AEO Graderのような、アカウント登録不要で使える無料ツールでは、会社名や業種を入力するだけで、ChatGPT・Perplexity・Geminiにおける現状の言及頻度・センチメント・Brand Recognitionスコアを3〜5分程度で確認できるとされています(出典: HubSpot, 2026年7月)。高機能な有料ツールを選ぶ前に、まず無料診断で「自社は今どのくらい見えているか」の輪郭をつかんでおくことが、その後の投資判断の材料にもなります。
どんな質問を測定対象に選ぶべきか
ベースライン測定でつまずきやすいのが、どんな質問(プロンプト)をAIに投げればよいか分からないという点です。闇雲に自社名だけを聞くのではなく、想定顧客が実際に使いそうな質問文を用意することが重要です。たとえば「〇〇業界のおすすめサービスを教えて」「〇〇の選び方を教えて」といった、購買検討の初期段階で使われそうな質問と、「〇〇 料金」「〇〇 評判」といった比較検討段階の質問を、それぞれ2〜3個ずつ用意しておくと、V-A1のツリーのVisibility層とAuthority層の両方をカバーしやすくなります。使用した質問文自体もそのまま記録に残し、次回以降の測定で同じ文言を使い回せるようにしておいてください。
何を記録しておくべきか
ベースラインとして記録しておくべきは、V-A2で整理した4指標です。可視性(表示回数)・言及率・引用率・センチメントを、少なくとも3種類以上のAIエンジンについて記録しておきましょう。あわせて、GA4のAI経由と思われる参照流入の現状値、Search Consoleの指名検索ボリュームの直近3か月分も控えておくと、V-A3で扱ったOutcome層の変化も後から追えるようになります。
記録の形式を決めておく
数字を測っただけで終わらせず、再現できる形式で保存することが重要です。使用したプロンプト文言、実行日時、AIエンジンの種類、結果のスクリーンショットをセットで保存しておくと、数か月後に同じ条件で再測定する際の比較がぶれません。スプレッドシート等に「測定日・エンジン名・プロンプト文言・言及有無・引用有無・センチメント」の列を用意しておくと、そのままV-A8で作るテンプレの土台としても使えます。
実践ステップ
- HubSpot AEO Graderなど無料診断ツールで自社名を入力し、結果をスクリーンショット保存する
- ChatGPT・Perplexity・Geminiの3エンジンで、想定顧客が使いそうな質問を3〜5個用意する
- 各質問を各エンジンに投げ、言及の有無・引用の有無・センチメントを記録する
- GA4で直近1か月のAI経由と思われる参照流入(Referral・Unassigned含む)の件数を控える
- Search Consoleで直近3か月の指名検索ボリュームの推移を控える
- 測定日・使用プロンプト・結果をスプレッドシートに一覧化して保存する
まとめ
ベースライン測定は、地味ですがAIOの成果を語るための唯一の土台です。要するに、測っていない過去とは比較できないということです。ここで記録した数字は、V-A7の経営層への報告や、V-A8のテンプレ作成でそのまま活用します。面倒に感じても、この最初の一手間を惜しまないようにしてください。
このレッスンはテキストとスライドで学べます。スライドは上のビューアからご覧ください。
確認テスト
選択肢をクリックすると、その場で正誤と解説が表示されます。
Q1. HubSpot AEO Graderはアカウント登録が必要な有料ツールである。
HubSpot AEO Graderは登録不要・無料で使えるツールとして紹介されています。
Q2. HubSpot AEO Graderで結果を確認するのに要するとされる時間の目安はどれか。
会社名や業種を入力するだけで、3〜5分程度で結果を確認できるとされています。
Q3. ベースライン測定で記録すべきとされる4指標に含まれないものはどれか。
記録すべき4指標は可視性(表示回数)・言及率・引用率・センチメントであり、ページ速度スコアは含まれません。
このレッスンのFAQ
Q. なぜ施策着手前にベースラインを測定する必要がありますか。
AIOの成果はBefore/Afterの比較でしか語れないためです。ベースラインを取っていないと、数か月後に本当に改善したのか、それとも元々このくらいだったのかを判断できなくなります。
Q. ベースライン測定ではどんな質問をAIに投げればよいですか。
想定顧客が実際に使いそうな質問文を用意することが重要です。購買検討の初期段階の質問と、比較検討段階の質問をそれぞれ2〜3個ずつ用意するとよいとされています。
Q. 測定結果はどのように保存しておくべきですか。
使用したプロンプト文言・実行日時・AIエンジンの種類・結果のスクリーンショットをセットで、再現できる形式で保存しておくべきとされています。