IX-H4 ニュージーランド・豪州市場の実務ポイント
オセアニア市場の実務ポイント
このレッスンの狙い:ニュージーランドと豪州の検索市場構造の共通点とAIガバナンスにおける独自性を理解し、オセアニア市場での実務ポイントを整理できるようになる
最終更新: 2026-07-25
この記事の要点
- ニュージーランドと豪州の検索市場構造の共通点とAIガバナンスにおける独自性を理解し、オセアニア市場での実務ポイントを整理できるようになる
- 検索市場構造は豪州とほぼ同一
- オーストラリア
編IX-Hの最後は、ニュージーランドを取り上げつつ、オセアニア市場での実務ポイントを整理します。ニュージーランドは検索市場の構造こそ豪州とほぼ同じですが、AIガバナンスの公式ガイダンスに「先住民の視点への配慮」を明記しているという独自性があります。なお、本レッスンで扱えるニュージーランド企業単体のAIO実名事例の数値は、本講座の調査範囲では確認できていません。
検索市場構造は豪州とほぼ同一
StatCounterの2026年6月データによると、ニュージーランドの検索エンジン市場シェアはGoogle 87.52%、Bing 8.85%、Yahoo! 1.51%、DuckDuckGo 1.33%となっています(出典: StatCounter Global Stats, 2026年6月)。前レッスンまでで見た豪州の数値(Google 88.04%・Bing 9%)とほぼ同水準であり、Google9割弱・Bing1割弱という構造がオセアニア地域に共通する特徴だとわかります。
オーストラリア
- Google 88.04%・Bing 9%(2026年6月)
- News Bargaining Incentiveで報道対価を制度化
ニュージーランド
- Google 87.52%・Bing 8.85%(2026年6月)
- プライバシー法制でAI利用ガイダンスを整備
マオリの視点への配慮を明記したAIガイダンス
NZプライバシーコミッショナー事務局(OPC)は2023年9月、生成AIツールの利用に関する公式ガイダンスを公表しました。プライバシー法2020と13の情報プライバシー原則(IPP)がAIツールにどう適用されるかを明確化し、事前の必要性・比例性の検証、プライバシー影響評価(PIA)の実施、透明性確保に加えて、マオリの視点への配慮・関与を明記しています(出典: Securiti, 2023年)。2025年9月には個人情報を間接的に収集する事業者に情報提供を義務づける新原則IPP 3Aを含むプライバシー改正法2025も成立しました(出典: 同上)。
用語解説
IPP(情報プライバシー原則)とは、ニュージーランドのプライバシー法2020が定める、個人情報の取り扱いに関する原則群です。新原則IPP 3Aは、個人情報を本人以外から間接的に収集する事業者に、収集内容の情報提供を義務づけます。
実名企業データが薄い市場での考え方
前レッスンで見た豪州小売3社の事例のような、ニュージーランド企業単体のAI検索可視性データは、本講座の調査範囲では見つかりませんでした。こうした場合は、豪州のように実名データが豊富な近接市場の傾向を参考にしつつ、自社データで検証する姿勢を崩さないことが大切です。特に観光・地方産業など、多文化・先住民コンテキストを持つ国でのAIガバナンスの考え方は、日本の地方・観光業界向けの参考事例として転用できます。
実践ステップ
- NZ向け施策を検討する際は、検索市場構造が豪州とほぼ同一である前提で計画を立てる
- NZのプライバシー法制・AIガイダンスを確認し、多文化・先住民コンテキストへの配慮の記述を確認する
- 実名企業データが確認できない国では、近接市場の傾向を参考値として扱い断定しない
- 観光・地方産業向けにNZの先住民視点配慮ガイダンスを紹介する際は、日本の地域文脈に合わせて翻案する
- オセアニア市場全体の情報を、豪州・NZを混同せず国別に整理して記録する
まとめ
ニュージーランドは検索市場構造こそ豪州と共通していますが、AIガバナンスに先住民の視点を明記する独自性を持つ市場です。企業単体の実名データが確認できない国では、無理に数値を作らず「データはまだ限られている」と正直に扱うことが、講座全体の信頼性を支えます。次のIX-I1では、Googleではない検索エンジンが7割を握るロシア・CIS市場を見ていきます。
このレッスンはテキストとスライドで学べます。スライドは上のビューアからご覧ください。
確認テスト
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Q1. ニュージーランドのプライバシーコミッショナー事務局(OPC)は2025年9月、生成AIツールの利用に関する公式ガイダンスを公表し、マオリの視点への配慮・関与を明記した。
正しくは、公式ガイダンスの公表は2023年9月です。2025年9月に成立したのはプライバシー改正法2025(新原則IPP 3A)です。
Q2. ニュージーランドの検索エンジン市場シェア(2026年6月)でGoogleは何%か?
Google87.52%、Bing8.85%となっており、豪州の数値とほぼ同水準です。
Q3. 新原則IPP 3Aはどのような事業者に何を義務づけるか?
個人情報を本人以外から間接的に収集する事業者に、収集内容の情報提供を義務づけます。
このレッスンのFAQ
Q. ニュージーランドの検索市場構造は豪州とどう異なりますか?
ほぼ同一で、Google9割弱・Bing1割弱という構造がオセアニア地域に共通する特徴です。
Q. ニュージーランド企業単体のAIO実名事例について、本レッスンではどう扱われていますか?
本講座の調査範囲では確認できていないと正直に扱われています。
Q. データが確認できない国について、講座ではどのような姿勢が推奨されていますか?
近接市場の傾向を参考値として扱いつつ、無理に数値を作らず「データはまだ限られている」と正直に扱う姿勢が推奨されています。