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IX-G1 UAE——国家丸ごとのAI投資が中東の検索地図を塗り替える

国家丸ごとのAI投資が中東の検索地図を塗り替える

このレッスンの狙い:UAEの検索市場構造とG42・Falconなど国家主導のAI投資を理解し、自国産モデルを前提にした情報設計を検討できるようになる

最終更新: 2026-07-25

この記事の要点

  • UAEの検索市場構造とG42・Falconなど国家主導のAI投資を理解し、自国産モデルを前提にした情報設計を検討できるようになる
  • 「2031年までに世界のAIリーダー」という国家目標
  • Falconという自国産LLMが生まれた理由
中東・西アジア(湾岸・イスラエル・トルコ)IX-G1

UAE

国家丸ごとのAI投資が中東の検索地図を塗り替える

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検索エンジンの顔ぶれだけを見れば、UAEは「Google一強」の国です。StatCounterの2026年6月データでは、Google 95.12%、Bing 2.87%、Yandex 1.38%、Yahoo! 0.31%という結果になっており(出典: Statcounter Global Stats、2026年6月)、検索窓の奪い合いという点では他地域と大差ありません。ところが一歩引いて見ると、UAEは検索エンジンの外側で、国家丸ごとAIに賭けるという別次元の動きを見せています。

用語解説

ソブリンAIとは、自国の政府・企業が主体となって開発・運用するAI基盤(計算インフラ・基盤モデル・データセンターなど)を指す言葉です。海外プラットフォームへの依存を減らし、データ主権を確保する狙いがあります。

「2031年までに世界のAIリーダー」という国家目標

UAEは2017年、国家AI戦略を発表し「2031年までに世界のAIリーダーになる」ことを目標に掲げました(出典: PDP Spectra、2026年)。この目標を具体化する形で2018年に設立されたのがG42で、医療・エネルギー・国家安全保障領域でのAI実用化を担う中核組織です(出典: IISS、2024年)。2024年4月にはMicrosoftがG42へ15億ドルの戦略的少数出資を実施し、G42は中国系技術資本を売却してOpenAIとの戦略提携も締結しました(出典: The Middle East Insider、2026年)。国家戦略・出資・提携が一体で動くという点が、他の市場との大きな違いです。

またUAEと米国は、アブダビに5GW規模のソブリンAIクラスターを建設する計画も発表しています(出典: Middle East AI News、2026年)。

Falconという自国産LLMが生まれた理由

この文脈で生まれたのが、UAE政府系研究機関TII(Technology Innovation Institute)が2023年に発表したオープンモデル「Falcon」です。2026年世代の「Falcon 4」は開発中で、マルチモーダル対応とアラビア語特化の強化が見込まれています。省電力エッジ向けの軽量版「Falcon-Edge」(1.58bit駆動)も投入済みです(出典: PDP Spectra、Computer Weekly、2026年)。自国語・自国データで学習したモデルを持つこと自体が国家戦略の一部になっている点は、日本企業がUAE市場を見るときに押さえておきたい前提です。

UAEのソブリンAI形成の流れ
  1. 2017年 国家AI戦略発表
  2. 2018年 G42設立
  3. 2023年 Falcon(TII)発表
  4. 2024年 Microsoft出資・5GWクラスター計画

企業実例と日本企業への示唆

金融分野では、Emirates NBDやFirst Abu Dhabi BankがEvident AI Index(銀行AI成熟度)の中東・アフリカ地域で上位とされ、CBUAEの規制枠組みへの言及がAI検索での信頼シグナルになるとされます(出典: Solvo Creations、2026年、単発の業界ブログ分析)。またQ1 2026時点でAI Overviewsの表示率は前期比57%増、98%のCMOがAEO投資を進める一方、UAEの中小企業の多くは未着手で先行者優位が残っています(出典: Upscale Digital、2026年)。

ポイント

UAEでは「国家がAIインフラと自国語モデルを整備し、企業側の対応はこれから」という段階です。規制対応の実務よりも先に、CBUAEのような公的枠組みへの言及や、Falcon/Jaisのような自国産モデルの存在を前提にした情報設計を検討する価値があります。

実践ステップ

  1. StatCounterでGoogleシェアを確認し、通常のSEO/AIO施策がそのまま通用する市場だと認識する
  2. G42・TII・Falconなど、UAEの国家AI基盤の固有名詞を最低限押さえておく
  3. Emirates NBD等の事例から、規制枠組みへの言及が信頼シグナルになりうる可能性を意識する
  4. AI Overviews表示率の増加ペースを踏まえ、着手の早さが差になる市場だと理解する
  5. 自国産LLM(Falcon・Jais)が存在する市場特有の情報設計を、次のレッスン以降で具体的に学ぶ準備をする

まとめ

UAEの検索市場はGoogleがほぼ独占していますが、裏側では国家丸ごとのAI投資(G42・Falcon・5GWクラスター)が進み、AI Overviews表示率も急速に伸びています。日本企業は通常のSEO対策に加え、国家主導のAIエコシステムを前提にした情報設計が出発点になります。次のレッスンでは、実際にAI経由トラフィックを9%から24%へ伸ばしたドバイ企業の実例を見ていきます。

このレッスンはテキストとスライドで学べます。スライドは上のビューアからご覧ください。

確認テスト

選択肢をクリックすると、その場で正誤と解説が表示されます。

Q1. UAEは2017年、国家AI戦略を発表し「2031年までに世界のAIリーダーになる」ことを目標に掲げた。

Q2. 2024年4月にG42へ15億ドルの戦略的少数出資を実施した企業はどこか?

Q3. UAEの自国産オープンモデル「Falcon」を開発した機関はどこか?

このレッスンのFAQ

Q. 2026年6月時点のUAEの検索エンジンシェアはどうなっていますか?

Google95.12%、Bing2.87%、Yandex1.38%、Yahoo!0.31%です(StatCounter調べ)。

Q. UAEと米国はどのような計画を発表していますか?

アブダビに5GW規模のソブリンAIクラスターを建設する計画を発表しています。

Q. UAEにおけるAI Overviews表示率と企業のAEO投資状況はどうなっていますか?

Q1 2026時点でAI Overviewsの表示率は前期比57%増、98%のCMOがAEO投資を進める一方、中小企業の多くは未着手で先行者優位が残っています。

監修:鈴木晋介(株式会社WEBMARKS 代表取締役)

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