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IX-B3 AI Overviews表示ページで何が起きるか——米国CTRデータ精読

米国CTRデータ精読

このレッスンの狙い:米国のPew・Ahrefsデータを精読し、AI Overviewsが検索上位ページのクリック率に与える影響を具体的に説明できるようになる

最終更新: 2026-07-25

この記事の要点

  • 米国のPew・Ahrefsデータを精読し、AI Overviewsが検索上位ページのクリック率に与える影響を具体的に説明できるようになる
  • Pewが追跡した「実際の検索行動」
  • クリックの中身をさらに分解する
北米(アメリカ・カナダ)IX-B3

AI Overviews表示ページで何が起きるか

米国CTRデータを精読する

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編IXの総論(IX-A2)で、Pew Research CenterとAhrefsのデータを紹介しました。ここでは米国に絞り、検索結果にAI Overviewsが表示された瞬間、利用者の行動が具体的にどう変わるのかを、もう一段階詳しく読み解きます。

Pewが追跡した「実際の検索行動」

Pew Research Centerの調査は、単なるアンケートではありません。米国成人900人の実際のブラウジング行動を、2025年3月1〜31日の1か月間にわたって追跡するという方法を採っています。対象となったGoogle検索は68,879件、そのうち約18%にあたる12,593件でAI要約が表示されました(出典: Pew Research Center, 2025年7月)。「たった1回のアンケート」ではなく「1か月間の実際の行動ログ」である点が、この調査の説得力を支えています。

クリックの中身をさらに分解する

AI要約が表示された検索での有機リンククリック率は8%、表示されない検索では15%でした。さらに細かく見ると、AI要約内の引用リンクをクリックした利用者はわずか1%にとどまります。そしてAI要約が表示されたセッションのうち26%は、そのままブラウジングを終了していました(非表示セッションでは16%)。「AI要約を読んで満足し、どこにもクリックせずに離脱する」という行動が、10人に2〜3人という規模で起きていることになります。

有機リンククリック率(AI要約あり)

8%

有機リンククリック率(AI要約なし)

15%

AI要約内の引用リンクをクリック

1%

そのままセッション終了(AI要約あり)

26%

Ahrefsの「ランキング別」精読

Ahrefsは2025年12月データに基づく更新調査(2026年2月公開)で、30万キーワードを対象に、検索1位に表示されていたページのクリック率が58%減という、初回調査(34.5%減)より深刻な数値を報告しています(出典: Ahrefs, 2026年2月)。1位ページが特に大きな打撃を受けるのは、AI Overviewsが要約する内容の多くが、まさにその1位ページの情報を土台にしていると考えられるためです。上位表示されているからこそ、AIに「答えを奪われやすい」という逆説が起きています。初回調査(2025年4月公開、15万キーワード対象、2024年3月と2025年3月のSearch Consoleデータを比較)の34.5%減という数値と比べても、わずか10か月ほどでさらに悪化していることになり、この変化がまだ収束していない進行中の現象であることも読み取れます。

ポイント

「検索順位を上げればクリックが増える」という従来の前提は、AI Overviews表示クエリでは崩れつつあります。1位表示を維持しつつ、AI要約内で引用される・言及されるための別の打ち手をセットで考える必要があります。

注意

本レッスンの数値はいずれも米国の検索行動・Search Consoleデータに基づくものです。日本語検索やAI Overviews未展開の国では同じ減少幅になるとは限らないため、自社の実データで裏付けを取ることが欠かせません。

実践ステップ

  1. 自社の主要キーワードでAI Overviewsが表示されているかをまず確認する
  2. AI Overviews表示クエリと非表示クエリで、Search Console上のクリック率を比較する
  3. 検索1位を獲得しているページほどAI要約の影響を受けやすいことを踏まえ、上位ページを優先的に監視する
  4. AI要約内で自社が引用されているかを、主要クエリで手動確認する
  5. クリック率の低下が確認できた場合、引用獲得や別チャネルへの流入導線をあわせて検討する

まとめ

米国のデータを精読すると、AI Overviewsは特に検索上位のページに強く影響し、クリックせず離脱する利用者が一定数存在することが分かります。次のレッスンでは、この状況下でも大きな成果を報告しているHubSpotの事例を分解し、何が再現可能で何が割り引いて読むべきかを整理します。

このレッスンはテキストとスライドで学べます。スライドは上のビューアからご覧ください。

確認テスト

選択肢をクリックすると、その場で正誤と解説が表示されます。

Q1. Ahrefsの初回調査(2025年4月)より、2026年2月の更新調査の方がクリック率減少幅が大きかった。

Q2. Pewの調査でAI要約表示セッションのうちそのまま終了した割合は。

Q3. Ahrefsの更新調査(2026年2月)の対象キーワード数は。

このレッスンのFAQ

Q. なぜ検索1位のページが特に打撃を受けるのか。

AI Overviewsが要約する内容の多くが1位ページの情報を土台にしているため、上位表示されているほど「答えを奪われやすい」逆説が起きています。

Q. Ahrefsの初回調査と更新調査で数値はどう変わったか。

初回(2025年4月、15万キーワード)は34.5%減、更新(2026年2月、30万キーワード)では検索1位ページで58%減と悪化しました。

Q. この米国データを他地域にそのまま当てはめてよいか。

いいえ。米国の検索行動・Search Consoleデータに基づくものであり、自社の実データで裏付けを取ることが必要です。

監修:鈴木晋介(株式会社WEBMARKS 代表取締役)

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