IX-A4 Gartner「検索25%減」予測はどうなったか
2024年予測と2026年実測を突き合わせて読み解く
このレッスンの狙い:Gartnerの検索利用量25%減予測と2026年時点の実測データを突き合わせ、話題性の高い予測数値を鵜呑みにせず検証する視点を持てるようになる
最終更新: 2026-07-25
この記事の要点
- Gartnerの検索利用量25%減予測と2026年時点の実測データを突き合わせ、話題性の高い予測数値を鵜呑みにせず検証する視点を持てるようになる
- Gartnerが予測した内容
- 2026年半ば時点の実測
AI検索の話題では、しばしば「衝撃的な予測」が独り歩きします。その代表例が、調査会社Gartnerが2024年に発表した検索エンジン利用に関する予測です。2026年という具体的な年を名指しした予測が、実際にどうなったかを、ここまで見てきた実測データと突き合わせてみましょう。
Gartnerが予測した内容
Gartnerは2024年2月19日、「AIチャットボットやその他のバーチャルエージェントの影響で、2026年までに検索エンジンの利用量は25%減少する」との予測をプレスリリースで発表しました(出典: Gartner, 2024年2月19日)。この「2026年までに25%減」という具体的な数値は、SEO・AIO業界で繰り返し引用され、検索業界に強い危機感を広めるきっかけになりました。
用語解説
「検索エンジン利用量」とは、ここではGoogleなど従来型検索エンジンへのクエリ数・アクセス量全体を指す概念として使われています。AIチャットボットへの問い合わせが増える分、従来型検索への依存が下がるという予測の前提です。
2026年半ば時点の実測
ここまでのレッスンで確認した通り、2026年6月時点でもGoogleは世界全体で91.27%のシェアを維持しています(出典: StatCounter Global Stats, 2026年6月)。デスクトップシェアは79〜82%台まで低下したものの、これは「25%の利用量減少」とは異なる指標です。Gartnerの予測と2026年の実測を突き合わせた複数の検証記事は、この予測は「外れた」あるいは「誇張だった」と評価しています(出典: futurefactors.ai, 2026年)。
2024年の予測
- 2026年までに検索エンジン利用量が25%減少
2026年の実測
- Googleは世界シェア91%超を維持
「外れた」で片付けてよいのか
ここで注意したいのは、Googleのシェアという指標が高止まりしていることと、検索行動そのものが変わっていないことはイコールではないという点です。前々レッスンで見た通り、AI Overviewsが表示された検索では有機リンクのクリック率が46.7%も下がっているというPewのデータがあります。つまり「検索エンジンとしての支配的地位」は揺らいでいなくても、「検索結果からのクリック」という行動レベルでは、予測が示唆した方向の変化が部分的に起きているとも解釈できます。
注意
「Google依存度が高いまま=予測は完全に外れた」と単純化しないでください。予測が対象にした指標(検索エンジン利用量)と、実測で確認できる指標(市場シェア、クリック率)が完全に一致しているとは限らず、指標のすり替えに注意が必要です。
「25%」という数字自体は実測でも出てくる
興味深いことに、「25%」という数字そのものは、Gartnerの予測とは別の実測データにも登場します。Web解析企業Conductorが13,770の企業ドメイン・33億セッション・10業種22サブ業種を分析した「2026 AEO/GEO Benchmarks Report」(2025年11月13日発表)によれば、AI Overviewsの出現率は検索全体の平均で25%に達しており、業種別ではヘルスケア48.7%・金融25.8%と差が大きいことも分かっています(出典: Conductor / BusinessWire, 2025年11月)。Gartnerが語った「検索利用量の25%減」とConductorが計測した「検索の25%でAI Overviewsが出現」は、そもそも指標が異なる別物の数字ですが、偶然にも同じ「25%」という数字が、業界内で違う意味を持って独り歩きしやすいことを示す好例だといえます。
実践ステップ
- 業界で話題になっている予測数値を見たら、まず発表年・対象年・対象指標を確認する
- 予測発表から一定期間が経過している場合は、実測データとの突き合わせ記事を探す
- 「シェア」「利用量」「クリック率」など、指標の種類が違う数値を混同していないか確認する
- 話題性の高い予測ほど、検証記事・反論記事もあわせて確認する習慣をつける
- 資料作成時は、予測値を紹介する際に必ず発表時点と検証状況をセットで明記する
まとめ
Gartnerの「2026年までに25%減」という予測は、2026年半ば時点の実測と照らすと外れた・誇張だったとする検証が多い一方で、AI Overviewsによるクリック率の低下という別軸の変化は確実に進行しています。次のレッスンでは視点を変え、世界各国の生成AI利用率そのものを国別に比較していきます。
このレッスンはテキストとスライドで学べます。スライドは上のビューアからご覧ください。
確認テスト
選択肢をクリックすると、その場で正誤と解説が表示されます。
Q1. Gartnerが2024年に発表した予測は「2026年までに検索エンジン利用量が50%減少する」というものだった。
正しくは25%減少という予測でした(2024年2月19日発表)。
Q2. 2026年半ば時点の実測と照らし合わせ、Gartnerの予測はどう評価されているか。
Googleが世界シェア91.27%を維持している実測と突き合わせ、外れた・誇張だったとする検証記事が複数ある。
Q3. Conductor社の「2026 AEO/GEO Benchmarks Report」でAI Overviewsの出現率が最も高かった業種は。
業種別ではヘルスケア48.7%・金融25.8%と差が大きい。
このレッスンのFAQ
Q. Gartnerは2024年に何を予測したか。
「AIチャットボット等の影響で2026年までに検索エンジン利用量が25%減少する」と予測しました(2024年2月19日発表)。
Q. この予測は2026年時点の実測とどう食い違うか。
Googleは2026年6月時点でも世界シェア91.27%を維持しており、複数の検証記事はこの予測を「外れた」「誇張だった」と評価しています。
Q. Gartner予測とConductorの調査に共通する「25%」という数字は同じ意味か。
いいえ、Gartnerは「検索利用量の25%減少」、Conductorは「検索の25%でAI Overviewsが出現」という別物の指標であり、偶然同じ数字が独り歩きしやすい例です。