III-B1 構造化データとは何か
検索エンジンやAIにページの意味を正確に伝えるためのマークアップ
このレッスンの狙い:構造化データの役割を説明できる
最終更新: 2026-07-23
この記事の要点
- 構造化データの役割を説明できる
- 構造化データの定義
- なぜGoogleだけでなくAIも注目するのか
このレッスンでは、AIOのテクニカル施策の土台になる構造化データの正体を整理します。「なぜ検索エンジンやAIがこれを必要としているのか」が分かれば、次のJSON-LD基礎(III-B2参照)以降の実装レッスンが一気に理解しやすくなります。ここでは細かい実装コードには踏み込まず、位置づけと全体像を掴むことに絞ります。
構造化データの定義
構造化データとは、ページの内容(記事・FAQ・商品・組織情報など)を、あらかじめ決められた語彙とフォーマットでマークアップし、検索エンジンやAIが機械的に理解できるようにしたデータのことです。使う語彙はschema.orgという共通ボキャブラリーで、これをページへ実際に埋め込む記法にはいくつかの選択肢があります。人間には自然な文章として読めるページの裏側に、「これは記事です」「これは会社名です」といったラベルを機械向けに添えておく仕組み、とイメージすると分かりやすいでしょう。
なぜGoogleだけでなくAIも注目するのか
構造化データはもともと、Googleの検索結果でリッチリザルト(星評価や画像つきの表示など)を出すための根拠として使われてきました。2025年以降はここに新しい役割が加わっています。「AIが内容を正確に認識し、引用する際の手がかりになるのではないか」という期待です。ただし、この期待には慎重さも必要です。既に引用を得ているページへ構造化データを追加しても、AI Overviews・AI Mode・ChatGPTのいずれでも意味のある正の効果は確認されず、Google AI Overviewsに限ってはむしろ引用回数が4.6%減少したという因果検証の結果もあります(出典: Ahrefs「1,885ページを対象にした構造化データ追加の因果検証」、調査期間2025年8月〜2026年3月)。「入れれば引用されやすくなる」と単純に断定できる段階ではないという前提を、最初に共有しておきます。詳しい実証データと限界はIII-B10で扱います。
実装形式とJSON-LDが主流な理由
構造化データをページに埋め込む記法には、主にJSON-LD・Microdata・RDFaの3つがあります。JSON-LDはHTML本文とは別に、次のような<script>タグとして独立して書ける記法です。
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "Organization",
"name": "会社名"
}
</script>2026年時点ではこのJSON-LDが主流です。CMSへの実装がしやすいこと、@graphと@idという仕組みで記事・著者・組織といった複数の情報を関連づけやすいこと、問題が起きたときに切り分けやすいことが主な理由です。書き方そのものは次のIII-B2で扱います。
AIOで押さえるべきページ種別
構造化データは、サイトの全ページに同じものを入れるわけではありません。実務ではトップ・会社概要・記事・FAQ・商品/サービスという5つの種別に分けて考えると整理しやすくなります。それぞれに対応するschema.orgのタイプ(Organization・Person・Article・FAQPage・Productなど)を、III-B3からIII-B6にかけて一つずつ実装していきます。どのページにも構造化データを詰め込めばいいわけではなく、ページの役割に合った型を選ぶという発想がここでの土台になります。
実践ステップ
- 自社サイトのページを「トップ・会社概要・記事・FAQ・商品/サービス」の5種別に仕分けする
- 各ページのソースコードを開き、
application/ld+jsonという文字列で検索して、既に構造化データが入っているか確認する - 入っている場合は、どのタイプ(Organizationなど)が使われているかをメモする
- 入っていないページ種別を洗い出し、III-B3以降で実装する優先順位を仮決めする
- 「効果を保証するものではない」という前提を、社内やチームであらかじめ共有しておく
まとめ
構造化データは、ページの内容を検索エンジンやAIに機械的に伝えるためのマークアップであり、実装形式としてはJSON-LDが主流です。Googleのリッチリザルト対応から始まり、今はAIの理解支援という新しい役割が注目されているという経緯を押さえておくと、以降のレッスンの位置づけが理解しやすくなります。ただし効果は過信せず、実証データの限界(III-B10参照)も合わせて理解する姿勢が大切です。この土台の上に、III-B2からはJSON-LDの記法そのものを手を動かしながら身につけていきます。
このレッスンはテキストとスライドで学べます。スライドは上のビューアからご覧ください。
確認テスト
選択肢をクリックすると、その場で正誤と解説が表示されます。
Q1. 既に引用を得ているページへ構造化データを追加した場合、Google AI Overviewsでは引用回数が4.6%減少したという因果検証結果がある。
Ahrefsの因果検証で、Google AI Overviewsに限って引用回数が4.6%減少したという結果が報告されています。
Q2. 構造化データが使う共通ボキャブラリー(語彙)は何と呼ばれるか。
schema.orgという共通ボキャブラリーが使われます。
Q3. 実装形式として2026年時点で主流とされているのはどれか。
CMSへの実装しやすさ等の理由から、2026年時点ではJSON-LDが主流です。
このレッスンのFAQ
Q. 構造化データを入れれば必ずAIに引用されやすくなりますか?
そうとは言えません。Ahrefsの因果検証では、既に引用を得ているページへの追加で意味のある正の効果は確認されていません。
Q. 構造化データはもともと何のために使われてきましたか?
もともとはGoogleの検索結果でリッチリザルト(星評価や画像つきの表示など)を出すための根拠として使われてきました。
Q. 構造化データを入れるべきページ種別はどう分けて考えればよいですか?
トップ・会社概要・記事・FAQ・商品/サービスという5つの種別に分けて、それぞれに合った型を選ぶ発想が実務では整理しやすいとされています。