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II-A2 AI検索のアーキテクチャを理解する

検索結果を「返す」従来型と、回答を「生成する」AI検索の構造の違い

このレッスンの狙い:AI検索が回答を生成するまでの大まかな流れを図で説明できる

最終更新: 2026-07-23

この記事の要点

  • AI検索が回答を生成するまでの大まかな流れを図で説明できる
  • 「返す」検索から「生成する」検索へ
  • AI検索を支えるRAG(検索拡張生成)という仕組み
検索の構造:従来検索とAI検索II-A2

AI検索のアーキテクチャを理解する

「返す」検索と「生成する」検索の違いを理解する

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前のレッスン(II-A1参照)で確認した従来検索は、ユーザーの質問に対して「関連リンクのリスト」を返す仕組みでした。これに対しAI検索は、質問への答えそのものを生成するという、根本的に違う構造で動いています。この「返す」と「生成する」の違いを、自分の言葉と簡単な図で人に説明できるかどうかが、このレッスンの一番のチェックポイントです。

「返す」検索から「生成する」検索へ

従来の検索エンジンは、インデックスされたページの中からランキング上位のものを選び、そのリンク一覧を画面に表示するだけでした。一方、ChatGPT検索やGoogle AI Overviews、PerplexityのようなAI検索は、関連ページの内容を読み込んだうえで、質問に対する答えの文章そのものをLLM(大規模言語モデル)に作らせます。検索結果として「リンクの束」を渡すのか、「答えの文章」を渡すのかという違いが、両者の最も分かりやすい見分け方です。この違いは、ユーザーが目にする画面の中身だけでなく、サイト運営者にとっての「見られ方」の設計思想そのものも変えていきます。

AI検索を支えるRAG(検索拡張生成)という仕組み

この「答えを生成する検索」の裏側で共通して使われているのが、RAG(Retrieval-Augmented Generation、検索拡張生成)という仕組みです。RAGとは、LLMが答えを作る前に外部の情報源を検索し、その検索結果を根拠にして回答を組み立てる手法のことです。何も調べずに記憶だけで答える人ではなく、質問を受けたらまず資料を検索してから答える人をイメージすると近いです(出典: note, 2026年7月確認)。この仕組みの利点は、モデルを再学習しなくても外部の新しい情報を後から補える点にあります(出典: Pinecone, 2026年7月確認)。RAGはクロール・インデックスという従来検索の仕組みを置き換えるものではなく、その上に「検索した内容をもとに文章を生成する」という工程を足したものだと理解しておくと、前のII-A1の内容ともつながります。

LLMが答えを作るまでの2段階

RAGを支えるLLM自体も、学習(事前学習)と推論という2つの異なる工程で動いています。学習は、モデルが大量のテキストからパラメータを調整する一度きりの重い工程で、推論はできあがったモデルに質問し、その都度答えさせる軽い工程です(出典: arXiv「LLM Inference Unveiled」, 2026年7月確認)。この区分があるからこそ、LLM単体では学習データの収集を締め切った時点(知識カットオフ)より後の出来事を基本的に知らず、RAGで外部の新しい情報を後から補う必要が出てくるわけです。

回答が組み立てられるまでの流れ

ここまでの内容を、質問から回答が出るまでの流れとして図にすると次のようになります。

ユーザーの質問
  ↓
[1] 関連する情報を検索して集める(Retrieval)
  ↓
[2] 集めた内容をもとにLLMが回答文を生成する(Generation)
  ↓
[3] 根拠となった情報源へのリンクを添えて提示する

Googleの「AI Mode」では、この[1]の工程で1つの質問を複数の観点に自動分解して並行検索する「クエリファンアウト」という技術も使われています(出典: Google公式ブログ, 2025年5月)。この技術の詳しい中身は編II-Bで扱います。

実践ステップ

  1. ChatGPT検索かGoogle AI Overviewsで、自社(または身近な)商品カテゴリについて実際に質問してみる
  2. 表示された回答の下に並ぶ出典リンクの数と、そのドメインを書き出す
  3. 同じ質問を通常のGoogle検索でも行い、上位10件のリンクと出典リンクがどれだけ重なるか比べる
  4. 上の図の[1][2][3]のうち、自社サイトが「検索して集められる」対象になっていそうかを考える
  5. 気づいたことを1〜2行でメモし、次のII-A3の「クロールから引用までの流れ」の理解につなげる

まとめ

AI検索は、リンクを返す従来型と違い、外部情報を検索してから答えを生成するRAGという仕組みで動いています。LLM自体も学習と推論という2段階で動くため、最新情報を補うにはRAGのような外部検索が欠かせません。「答えを作る」ために裏側でいくつもの工程が動いているという理解を持てていれば、このレッスンの目的は達成です。ここで見えてきた「集めてから生成する」という流れの解像度をもう一段上げるのが、II-A3の役目です。

このレッスンはテキストとスライドで学べます。スライドは上のビューアからご覧ください。

確認テスト

選択肢をクリックすると、その場で正誤と解説が表示されます。

Q1. AI検索は、従来検索と同様にリンクの一覧だけを検索結果として返す。

Q2. RAG(Retrieval-Augmented Generation)の仕組みとして正しいものはどれか。

Q3. Google「AI Mode」が採用している、1つの質問を複数の観点に自動分解して並行検索する技術の名称は何か。

このレッスンのFAQ

Q. 従来検索とAI検索の一番の違いは何ですか?

従来検索は関連リンクのリストを「返す」だけですが、AI検索は関連ページの内容を読み込んだ上で質問への回答文そのものを「生成する」という違いがあります。この違いがユーザーの見られ方の設計思想にも影響します。

Q. RAGを使う利点は何ですか?

モデルを再学習しなくても、外部の新しい情報を後から補える点が利点です。LLM単体では知識カットオフより後の出来事を基本的に知らないため、この仕組みが重要になります。

Q. LLMが答えを作るまでにはどんな工程がありますか?

学習(事前学習・パラメータ調整の重い一度きりの工程)と推論(質問に答える軽い工程)という2つの異なる工程で動いています。

監修:鈴木晋介(株式会社WEBMARKS 代表取締役)

AI検索仕組み
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